【地域の食産業の未来を語る】オンライントークイベント「地域の「食」のこれから」を開催しました!(レポート)
8月28日、小布施バーチャル町民会議に先駆けて、オンライントークイベント「地域の「食」のこれから ~「まちづくりの先進地」小布施の「老舗味噌蔵」と「まちの牛乳屋」が描く未来~」が開催されました。
日々の暮らしに欠かせない「食」。日本各地の食文化が再評価される一方で、少子高齢化による国内市場の縮小や、物価高騰によるコスト拡大など厳しい状況があることも事実です。
小布施町で食産業に携わる方々は現状をどう捉え、どんな未来を描いているのでしょうか?
今回のイベントでは、オブセ牛乳代表の西岡幸宏さん、穀平味噌醸造場代表の小山洋史さんを招き、小布施バーチャル町民会議メンターの宮田湧太さんとともに、地域の食の課題と可能性を語りました。
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トークセッションは、「地域の食があると、我々の暮らしはどのように豊かになるのか?」というテーマから始まりました。地域産業としての”食”には地域の文化や風土が宿り、大手企業とは異なる個性が表れます。
オブセ牛乳は、地元の幼稚園や学校の給食に出されるなど、「まちの牛乳屋さん」として小布施町に根付いています。消費期限が短く、産地の近くでしか味わえないコク深さは、まさに”地域の味”となっています。
穀平味噌醸造場も地域の老舗企業として、日本食”味噌”の文化を守り続けてきました。味噌は、つくった土地や蔵の特色が強く表れる食品です。大手企業の大量生産とは異なる、個性豊かな”地域の味噌”は、小布施の食文化を豊かに彩っています。
登壇者の西岡さん、小山さんには、自分たちの牛乳や味噌がどのように小布施町と関わってきたのかをお話していただきました。
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トークではさらに、当事者の目線から、現状への本音と未来への想いを聞くことができました。
現在の食産業は、昔と変わらず売るだけでは、利益が出にくいのが現状です。物価高騰によって原材料が高くなり利益が出なくなってしまったり、高齢化によって顧客が減ってしまったりと、厳しい状況が続いています。
オブセ牛乳代表の西岡さんは、新たな試みとして、ヨーグルトの試作について語ってくださいました。消費期限が短い牛乳をヨーグルトに加工すれば、「食べるオブセ牛乳」としてより遠くの人にも商品を届けることができるようになります。また、牛乳や関連商品を直接お届けできるECサイトも、数年前から運営を始めたそうです。今回のバーチャル町民会議では、ECサイトだからこそできる魅力的なアプローチを一緒に考えたいと、お話しされていました。
”普段飲む牛乳の10本に1本をオブセ牛乳に”、味の違いを楽しんでほしいと、大手の牛乳とは違う楽しみ方を提案されています。
穀平味噌醸造場の小山さんは、銀座でのアンテナショップに出品した際、「1商品あたりの内容量が多すぎる」と指摘を受け、少量チューブ入りの味噌を開発したエピソードをお話しされていました。
さらに、デザインや販路を工夫したい、日本の人口が減ってしまっている中で、若者や海外の方にも”味噌”の魅力を知ってもらいたいと、想いも語っていました。熱中症予防に塩をなめるのではなく、おいしい味噌汁を飲むことで、豊かで健康的な食生活をおくってほしいと願ってるそうです。
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西岡さん、小山さんの思いは、これからどのように実現していくのでしょうか。3人が語る中で見えてきたのは、おなかを満たす”ものづくり”からこころも満たす“感動体験”を提供する、というアプローチの転換です。
いつでも誰でも食べられるただの”食事”ではなく、風呂上がりの一杯、仲間とのパーティーなどの”感動体験”として提供することで、”食”の価値が高まる、と小布施バーチャル町民会議メンターの宮田さんは言います。
特に、”地域の食”は、特別な感動体験の担い手として最適な存在です。産地の個性やこだわりの味、多く流通していないという稀少さは、日々の食卓や旅での思い出を感動的なものにしてくれます。
今回語られた、地域の食に携わる方々の思いがどんな”感動体験”となって食卓に並ぶのか、地域の食の今後が楽しみです。
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第4回バーチャル町民会議では、今回登壇いただいた「オブセ牛乳」「穀平味噌醸造場」と全国から集まる参加者がタッグを組み、新規事業や課題解決に取り組みます。地域の食産業に関わりたい方、”食”や”まちづくり”に興味をお持ちの方、応募をお待ちしております!
小布施バーチャル町民会議の詳細・プレエントリーはこちら↓
https://virtual-obuse.com/
さらに、今回のイベントの録画をYouTubeにて公開いたしました!当日の参加が叶わなかった方、もう一度トークを聞きたい方、ぜひご覧ください。
https://youtu.be/eWGexSydh4U?si=A5Guf9dNusBPz5mz