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おぶせ環境人インタビューvol.3生活クラブ小布施支部 小島友美さん、清水美佐さん

「国産」「無添加」「減農薬」「遺伝子組み換え不使用」を掲げ、安心安全で環境のことも考えた商品を届ける生協として全国に広がる「生活クラブ」。小布施支部が組織されたのはいまから10年前です。小布施支部を立ち上げた小島友美さん(写真右)と現支部長の清水美佐さん(写真左)にお話を聞きました。
 
ー小布施で生活クラブを立ち上げた理由は何ですか?
 小島 私は長野県岡谷市出身なのですが、地元では生活クラブによる諏訪湖を綺麗にする石けん運動が盛んで、家庭でも生活クラブの扱う食材や生活用品を利用してきました。食材はどれも美味しくて、栽培や製造の過程もオープンになっているため安心できるのが、生活クラブの魅力のひとつです。結婚を機に小布施に引っ越してきてから、「自分の子どもにも安心安全で美味しいものを食べてもらいたい」という思いで、生活クラブの小布施支部を立ち上げようと思い立ちました。当時は、安全な食材を買えるお店が限られ、買い物の選択肢は少なく、生活クラブも須坂市までしか利用ができませんでした。新しい支部を立ち上げるのには、一定数の組合員が必要なため、新しい支部を立ち上げるのには、一定数の組合員が必要なため、小布施に住んでいる子育て世代の友人たちに声をかけ、美味しく安全な生活クラブの食材の魅力を伝えながら、少しずつ理解してくれる仲間を増やしていきました。

ー生活クラブの食材の魅力ってなんでしょう?
 清水 生活クラブが扱っている消費材の中で一番人気のあるもののひとつが「トマトケチャップ」です。「本当に甘くておいしい!」と評判で、大手のケチャップが海外産を原料とするなか、国産の完熟トマトを100%使用しています。トマトの栽培についても、農薬の使用についての厳しい基準があります。どの消費材も、パッケージの裏の成分表を見なくても安心して食べられるので、ストレスがないです。また海外からの輸送に伴うCO2の排出や、農薬・化学肥料の使用による土壌や自然環境への負荷という面でも、より環境にやさしい商品を使用することができています。

ー生活クラブの環境への取り組みについて教えてください。
  小島 生活クラブでは、循環型の社会づくり、そしてCO2削減のことも考え、様々な取り組みをしてきました。そのひとつが、「リユースびん」の活用です。かつて日本では一升瓶が日本酒、醤油、酢、ソース、焼酎と様々な商品に使われ、使用後に回収され、再利用されてきた100年以上の歴史があります。生活クラブでは、一升瓶の再利用システムを参考に、独自の規格のリユースびんを開発し、活用しています。リユースびんを利用すれば、新しいびんの製造等のため使用するエネルギーやそこから排出されるCO2を削減し、ゴミの量も減らすことができます。生活クラブではこのリユースの実践を30年近く続けてきました。日本では主にリサイクル優先の政策がとられてきたために、社会への普及はなかなか進みませんでしたが、深刻化する海洋汚染など使い捨てプラスチックの処理に直面する今、この取り組みはとても大切だと感じています。私、個人としても普段から、生ゴミは可燃ゴミとして捨てずに、自分の畑で土に還したりするなど微力ながら、もっとゴミの量が減る小布施になったらいいなあという想いで暮らしています。
 
ー近年では「生活クラブでんき」など再生可能エネルギーの取り組みなどもされていますね
 清水 「電気も食べ物と同じように原料やつくり方を大切にしたい」という思いで、CO2をほとんど排出しない再生可能エネルギーによる「電気の共同購入」がはじまっています。バイオマス、風力、小水力、太陽光と全国61箇所の再エネ発電所と協働し、再生可能エネルギーの割合が高い電気を利用できます。アウトドアブランドの「パダゴニア」も「生活クラブでんき」に共感し、利用してくれています。

【取材後記】
SDGsがはじまるずっと前からCO2削減や、循環型社会にむけて活動してきた生活クラブのみなさんのお話はとても刺激的でした。その活動の原点は「子どもたちに安心安全で美味しい食を届けたい」というお母さんたちの想いでした。そして、我が家も生活クラブに加入してみました。特にマヨネーズが絶品です。関心を持たれた方はぜひ生活クラブ小布施支部に連絡してみてください。