おぶせ環境人インタビューvol.5 小布施中学生徒会のみなさん
「100年後の小布施のために、動き出す小布施中学生徒会」
「小布施中学校の生徒会の活動がすごい!」という噂を聞いたのは昨年のことでした。生徒会メンバーを中心に、図書館や役場主催の環境ワークショップに参加し、学びを深め、環境の専門家を文化祭に招いて講演会を実現するなど、行動力が素晴らしいのです。今回は生徒会のみなさんにプロジェクトに取り組むきっかけについて、そしてこれからの活動の話を聞きました。取材に答えてくれたのは、前生徒会の小渕洋子さん、小林風音さん、太田花さん。そして、現生徒会の岩岡真央さん、原田莉玖さん、島田明依さんです。
環境の取り組みに興味を持ったきっかけは何でしょう。
小渕さん 私たちは1年生のころから、SDGsをテーマに調べ学習をやってきました。そのなかで、いまの地球の気候変動や、海洋プラスチックなどのごみ問題に段々危機感を持つようになりました。さらに2021年に、町が主催していた環境ワークショップに参加して、ゼロ・ウェイストに取り組む地域おこし協力隊の古木里菜さんのお話を聞くなどして、より身近な問題として感じるようになりました。
小林さん 僕は、1年生からの調べ学習を通じて持続可能なまちづくりに関して探究探求活動をしていたので、小布施町をこれからどんな町にしていくのか、とても興味を持っていました。普段の学校生活では、コロナの影響で休みの人が多い日などはたくさん給食があまってしまい、ごみになってしまうことがあります。とてももったいないので、なんとかしたいと思っていた時に、図書館テラソで「コンポスト・キエーロをリンゴ箱でつくる!」というワークショップがあることを知り、生徒会のメンバーで参加して実際にコンポスト作りに挑戦しました。
太田さん 実際にワークショップでコンポストをつくってみると、普段は机の上で学ぶことが多かった環境の話がぐっと身近に感じました。そして家に帰ってコンポストに生ごみを入れると、本当にしばらくすると消えていることに驚きました。私たちは、このコンポストを中学校でみんなで作成して、給食の余ってしまい生ごみになるものを堆肥にするなどをプロジェクトとして実現できないか検討しました。しかし、実際に出るごみの量が多すぎて、コンポストで処理できる量を超えてしまっていることなど課題が多くて実践することができませんでした。次の生徒会のメンバーにもぜひ積極的に環境への取り組みは続けていってもらいたいです。
先輩たちのバトンを引き継いだ新生徒会のみなさんは、これからどんな活動をしていきたいですか。
岩岡さん 先輩たちの活動がすごすぎて、どう活動を引き継いでいけるか正直悩んでいます。でも私たちも負けじとやっていきたいと思います。特に先輩たちの活動で印象的だったのは、昨年の文化祭「鳳凰祭」で世界的に活躍するゼロ・ウェイスト・ジャパンの坂野 晶さんに来てもらい講演をしてもらったことです。
島田さん 身近なゴミの問題を通して、ごみを減らし、資源として循環させる「ゼロ・ウェイスト」の取り組みについて、たくさんの生徒が集中して聞いていました。海外の学校などでどんなリサイクル活動をしているのかなど具体的な話もたくさんしてくれました。特に、調べ学習で、インターネット上で活躍を学んだ坂野さん本人が実際に学校に来てくれたのは、とても刺激になりました。あ、本物だ!って(笑)
原田さん 校内では昨年、グリーンカーテンという取り組みがありました。あさがおをベランダで栽培し、そのツタを窓や壁づたいに這わせることで、校舎内の温度を調整しようという試みです。実際にやってみると、なかなかあさがおのツタを上手く育てることができず思い描いていたようなグリーンカーテンにはなりませんでした。それでも、昨年の失敗を生かして今年もチャレンジしてみようという動きがすでに校内にあります。先輩たちの活動に学びつつ、さらに取り組みを広げていきたいです。
町内のバイオマスに取り組む専門家の方から、小中学校の暖房こそ、灯油ストーブなど化石燃料中心のものから、薪や木質ペレットを活用したストーブに変えて環境教育をしていくべきだ、という意見があります。
小渕さん 薪ストーブの炎にあたるの素敵ですね。憧れます。薪を集めたりするところから、取り組めば大変だけど、とても学びになりそう。薪ストーブ部とかできるとおもしろいかもしれません。
これから高校に進学して取り組みたいことなどありますか。
小林さん 中学校時代に取り組んできた町づくりや環境への取り組みや学びはぜひ続けていきたいと思っています。高校では、どのくらいの人たちが同じような興味を持っているかわからないけど、同級生たちにも今までやってきた活動や気づきをどんどん伝えていきたいです。
編集後記
好奇心旺盛に、環境や町づくりのことについて学び、実践する小布施中学校生徒会のみなさんは本当に楽しそうです。これからの活動も目が離せません。そして、旅立っていく3年生のみなさん、卒業おめでとうございます!これからも小布施町を一緒に盛り上げていきましょう。