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まちをまるごと「サードプレイス」に?「小布施バーチャル町民会議」のテーマオーナーにインタビュー

今年で2回目の開催となる「小布施バーチャル町民会議」。住んでいる人も住んでいない人も、まちのこれからを考えたり、新しいアイディアを実現したりすることができる小布施町の新たな取り組みの一つです。

2022年の小布施バーチャル町民会議も、実際に小布施で活動する人が「テーマオーナー」として参加者の皆さんと一緒に、掲げられたテーマをもとに小布施町の未来を構想していきます。

2021年に引き続きテーマオーナーを務める2人に、小布施に関わることになったきっかけや、今回のテーマへの思いについてインタビューしました。

テーマオーナー
 林 志洋(はやし しょう)/ テーマ:「サステナブルな町」の拠点を構想する
 日髙 健(ひだか たけし)/ テーマ:小布施を「現代の湯治場」に
インタビュアー
 髙津 ひかり(小布施町出身)

小布施に移住する前は何をしていたの?

― はじめに自己紹介として、ご出身とこれまでどんなことをしてきたのか教えてください。


「出身は神戸で、小布施に来るまでは東京で戦略コンサルティングの仕事や海外ベンチャー企業向けに日本進出の支援を行ってきました。新しい事業やアイディアを形にすることがこれまでのキャリアの軸になっています。
おもしろい社会をつくる体験がしたいと思い、2021年の6月に小布施へ移住しました。」

日髙
「僕は東京生まれ東京育ちです。
小布施に移住する前は、東京でコンサルティングの仕事をしていました。もっと手触り感のある仕事がしたいと思うようになり、地域おこし協力隊として2020年の1月に小布施に移住してきました。」

小布施にかかわるきっかけと現在の活動は?

― 小布施でこれがしたい!という思いのもと移住されているんですね。では、小布施に関わることになったきっかけと、現在の活動について教えてください。

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「僕は2018年2月の小布施若者会議に参加したことがきっかけです。そこで提案したアイディアが採用されたことをきっかけに、月に1回ほどのペースで小布施に通っていました。
そのうちに、まちづくりにプロボノとして関わることにもなり、よりよいまちづくりの実現をしたいと思い、移住を決めました。

現在は、小布施町役場の政策づくりに携わっています。環境政策を担当していて、ゼロカーボン(二酸化炭素の削減)・ゼロウェイスト(ごみの削減)の取り組みに特に力を入れています。また、環境と観光とを関連させて、サステナブルな観光のかたちについても町の皆さんと考えています。」

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日髙
「僕は学生時代に映画を勉強していたのですが、社会人になってからも映画に関わりたいという気持ちがありました。そのタイミングで、友人から小布施短編映画祭を立ち上げるという話を聞き、実行委員として1~2か月に1回、小布施に通うようになりました。

小布施短編映画祭の活動をしているなかで、小布施町でいろいろな取り組みをしている幅広い世代の方と知り合いました。また、映画祭の活動では小布施に住む方の家に泊めていただいたり、映画祭をゼロから作る手ざわり感を体験したりして、こういう人たちと関わりながら暮らしたいと思いました。また、キャリアとしてもこういう仕事ができたらいいなと感じました。

地域おこし協力隊として移住してからは、小布施町のファンを増やすべく関係人口の創出をメインに担当しています。今回のようなバーチャル町民会議を開催するなど、小布施に住んでいなくても小布施に関わる人を増やす取り組みをしています。」

2022年の「小布施バーチャル町民会議」のテーマとは?

「サステナブルな町」の拠点を構想する

― 今年のテーマの一つとして、“「サステナブルな町」の拠点を構想する”を設定した背景を教えてください。

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「小布施町で環境政策を担当しているなかで、『環境』というテーマは暮らしのすべてに関わってくると感じています。ただ、環境に対する取り組みは、いまある暮らしの在り方になじまないと続きません。
例えば、町の中に『あの場所にごみを持って行けばこういうことができる』というような場所があるとして、それはどんなものなのか。そのように具体性をもって考えないと、本当の意味で僕らの暮らしを動かしていく仕組みは作れないと思いました。

また、小布施町は新型コロナ感染症の流行以前は年間100万人もの観光客が訪れていた町です。
買い食いやお土産の過剰包装など、観光はともすればごみを生み環境に負担をかけるものとも考えられます。町の人にサステナブルな暮らしが馴染み、その生活スタイルを観光客の方も体験できる仕組みまで実現できたらいいのではないかと思っています。結果として『環境に配慮した取り組みに触れることができる小布施町』として興味を持ち、観光として訪れる足掛かりの1つになったらいいなと思っています。」

小布施を「現代の湯治場」に

― ”小布施を「現代の湯治場」に”というテーマにはどのような思いがあるのでしょうか。

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日髙
「湯治場という言葉は「温泉の効能によって傷や病を癒す場所」という意味があります。
僕が小布施に通い始めた時に、小布施を訪れることで『癒されていたな』という感覚もありました。週末小布施に来ると、イベントを作り上げる中で徐々に顔見知りが増えて、人や町とつながる実感がありました。小布施には温泉もありますが、それだけではなく、町で色々な活動をすることを通じてリフレッシュしていたような感覚があって、今回のテーマ設定にはそういった背景もあります。

また、2021年の1月から小布施町長に就任した桜井町長も、小布施で過ごすことで心も身体も癒される”現代の湯治場”となるまちづくりを目指しています。
小布施は大きなランドマークがあるような観光地ではないけれども、湯治場という言葉を”心と身体が元気になる場所”ととらえて、『なんだか落ち着く』と思ってもらえたり、好きになり通ってもらえるようようなまちづくりができるといいと感じています。
そのために、小布施に住んでいない方の視点を取り入れつつ、”旅先でどんな時間を過ごせれば心や身体が元気になるのか”について一緒に考えたいと思っています。」

「小布施バーチャル町民会議」参加を検討されている方へ

― “まちをまるごと「サードプレイス」に“というコンセプトのもと行われる2022年の小布施バーチャル町民会議ですが、参加を検討されている方へのメッセージをお願いします。

日髙
「コンセプトにもある“サードプレイス”は“自分が自分らしくいられる場所” ととらえています。サードプレイスというと、カフェのような特定の場所が思い浮かびがちですが、小布施は町全体が自分の居場所になるような、そんなポテンシャルを持っている町です。実際に住んでいなくても、小布施はまちづくりとして『やってみたい』という思いをかたちにしたり共有したりできる場所であることを知ってもらえたらうれしいです。

2021年のフルオンライン開催と違い、2022年は一部プログラムを現地で行うので、小布施の魅力を実際に肌で感じ、プログラムが終了しても地域の方とのつながりを感じられる内容になるのではないかと思います*。
それぞれのテーマにある“サステナブル”や“湯治場”というキーワードにピンとくる方にはぜひご参加いただきたいです。」

*新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑み、実施形態が変更になる可能性があります。

― “「サステナブルな町」の拠点を構想する”というテーマは、「サードプレイス」とどうつながってくるのだろうと思ったのですが、林さんはいかがでしょうか。


「町づくりに携わる経験そのものを、小布施をサードプレイスにするきっかけにしてもらえたらと思っています。
僕の中ではサードプレイスはカフェというより、もっと放課後の児童館のような遊び場に近いイメージがあります。気軽にいつでも帰れるコミュニティということに加えて“何かやるべきことがある”、“飛び込んだら面白そうという何かがある”、というところを魅力に感じてもらえたらと思います。

まちづくりは会社の仕事と違って、自分だけがやりたいと思っていることをやるのではなく、ほかの人の『やってみたい』という思いやアイディアを掛け合わせることが楽しさだと思っています。
小布施にはその『やってみたい』と思える種がたくさんあるし、実際に形にできる場所でもあります。だからこそサードプレイスにするのにぴったりなんです。

2021年の小布施バーチャル町民会議で出たアイディアもいくつかすでに形になってきています。たったの1年でここまで形にできるのはコンパクトで機動力のある小布施町ならではだと感じるので、今年も小布施を面白くしていける種が出てくることを期待していますし、関わってくれる仲間が増やせたらうれしいです。」

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小布施に移住して1年半以上経つ二人は、住んでいる町そのものが身近になり、生活が豊かになったと話していました。小布施バーチャル町民会議は、そんな町に関わる絶好の機会になるのではないでしょうか。

小布施バーチャル町民会議では、2022年1月16日(日)まで参加者を募集しています。ご参加を検討される方は、ウェブサイトもぜひご覧ください。たくさんのご応募、お待ちしております!

【小布施バーチャル町民会議の詳細、応募はこちら↓】

執筆:髙津ひかり
撮影:髙橋郷

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