【あいうえおぶせ】さ号 桜堤
小布施町をあいうえお順に紹介するフリーペーパー、小布施辞典「あいうえおぶせ」。これまでに刊行されたバックナンバーから、おぶせじん編集室が選りすぐった記事をお届けします。
今回は「さ」号から「桜堤」をご紹介します。
さくらづつみ【桜堤】
小布施町・千曲川堤防
オーナーの想いとともに千曲川堤防沿いに咲き誇る600本の八重桜。
毎年4月下旬からゴールデンウィークにかけて、小布施橋近くの千曲川堤防が鮮やかなピンク色に染まります。
この場所は「桜堤」と呼ばれ、およそ600本もの八重桜「一葉」の木々が全長4kmに渡り一定の間隔で植えられており、まるで桜のトンネルの中を歩いているような気分を味わうことができるのです。
今や全国的にも桜の名所として有名な「桜堤」が生まれるきっかけとなったのは平成7年。高速道路が整備され、堤防との間にできたスペースに、千曲川への感謝や、ふれあいの場として桜の木を植えたらどうかと、町民から提案があったのです。
そこで翌年、まちでは多くの方に関心を持ってもらおうと、一口5,000円で桜の木のオーナーを町内外問わず募集。結婚や出産の記念にと、北は福島県から、南は岡山県まで370人もの方々からの申し込みがありました。
「今でも帰省した子ども達と花見に出かけます」と話すのは、町内在住のオーナーの方。子ども達の記念になれば、と2本の木のオーナーになりました。子どもの成長とともに大きく育った桜には、やはり特別な感情があるといいます。
桜の木一本一本に名前の刻まれたプレートが設置されているのは、そういった経緯があってのこと。
純粋に桜の花を鑑賞するも良し、それぞれの木に込められた誰かの想いを想像しながら歩くのもまた、この「桜堤」の楽しみ方のひとつです。